文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
超アマなのだけどね!?
スマホ1つで、世界各国の情報が検索できるようになった。お金を出せば、数日で市場アンケートの大量集計ができる仕組みも整った。しかし、それらは、次のビジネスや未来を産むために、本当に有益な情報なのか。否っ。
頭でっかちの専門バカに集まる情報は、たかが知れている。エキスパートになるだけのハウツーを積み重ねても、その競走にキリはない。大きな差には、結局、ならない。
頭を下げることができるヒトのところに、熱に溢れたピチピチの情報は、集まる。自分の利害を最小化できるヒトのところに、気持ちの載った使える情報は、降ってくる。とどのつまり、道徳や、礼節や、人間として当たり前か否かが、これから大きな武器になるはすである。
プロである前に人間である。「まっとうな人間=見事なアマチュア=超アマ」であることが、本当のプロの礎であるべきなのだ。立派なプロになりたいなら、「超アマ」を目指せという、理屈は、どうだろうか?
良い性格の人間が、良い企画をする。良い商品を創る。心のある人間が、良いプロになる。こういう物言いに賛成である。「仕事はできるが、人間としてクズ」だと評されるヒトの仕事ぶりは、長い目で積算したら、その業績は、大したことない。
アメリカの建国の父/ベンジャミンフランクリンは、あれだけの業績を遺しながら、こんなことを言っている「あなた自身ほど、しばしばあなたを裏切ってきた者はいるか」・・・と。実は、「自分」が一番信用できない。「自分」を理念や思考の頂点に置いて形成した国家や事業には、必ず裏切られるというわけだ。
凄腕や辣腕と言われて手に入れたステータスは、果たして長続きするのか。アマチュアリズムを忘れた不遜なステータスに、大衆や社員は、心底、頭を垂れているのか。プロフェッショナルやステータスの偽装に、気をつけたい。
しかし、一番やっかいなのは、「自分」を思考の頂点に置くアホな素人である。そういう輩がモンスターなんちゃらになる。ナンバー1より、オンリー1なんていうフレーズの歌が紅白歌合戦の定番になることを心から憂う。
この国のステータスは、ちょー甘い。
ちゃんちゃらおかしい。