才能の八割は、体力である。
結婚してから体重が20㎏も増えた。
もう平均台に立つことができない。
でんぐり返りしたら起きあがれない。
梯子で足がプルプルする。
キワキワを望んでも身体が邪魔をする。
思いのままに身体が動かせない。
死にたいと言っても冗談にしか聞こえない。
身体が不自由になったおかけで、心だけはキワキワを邁進する。
寂しくても膝小僧が抱けなくなったおかげで、心はひとり強くなった。
そういう意味においてデブになってよかった。
デブになって芽が出た心がある。
きっと、アタマより身体の方が正直なのである。
ダンナとのメシが不味くなったら離婚のサイン。
セックスしなくてもそんなこたぁわかるというのが人間である。
不自由な身体があってこその、心や、脳である。
身体だけが死に向かう前提があっての、心と脳である。
生涯の移動距離は、人生の深さと比例している。
動いた分だけの人生である。
身体の学習能力の差が、きっと、人生の差である。
アトムの子も言っている。
才能の八割は、体力なのだよ。
文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。