文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
梅は、こぼれるのだよ。
桜は「散る」。
菊は「舞う」。
椿は「堕ちる」。
牡丹は「崩れる」。
梅は「こぼれる」。
松でもない。
竹でもない。
ランクからこぼれたやつが「梅」。
東風ふかば
にほひをこせよ
梅の花
平安の政争からこぼれた菅原道真が想いを寄せたのが「梅」。
散るほどに、潔くもない。
舞うほどに、優雅でもない。
堕ちるほどに、デカダンでもない。
崩れるほどに、勇壮でもない。
受験戦争からもこぼれた。
華やかな広告業界からもこぼれた。
ITやらIoTやらの筋からもこぼれた。
娘たちの輝かしい未来からもこぼれた。
恋も、愛も、こぼれた。
還暦を迎える頃になって「梅」が好きになった。
梅は飛ばなくて、こぼれるのだよ。
あるじなしとて
春な忘れそ。
もう3月だよ。。。