週イチ「たまりば」vol.3 ブサイクな知性。
2021.03.03
週イチたまりば

 

ブサイクな知性。

Googleの親会社であるアルファベット傘下のSidewalk Labsが、カナダのトロントで進めてきた「未来都市」のプロジェクトから撤退することが決まったというニュースを読んだ。
データの収集と監視が新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせる重要な手段であると見られるようになったタイミングで、最大13億ドルを投じると発表されていた注目のSmart City構想が頓挫した。
「データは新しい石油である」という先進的なテック企業が思い描く通りの未来に、人間は、そうカンタンに収まらないということである。
めっちゃ賢い人たちが集結して、
めっちゃお金をかけて予測した
ピカイチの計画に乗っからない。
外出自粛でリモートワークをするほどに脱Smart Cityの方がいいんじゃないかと考えてしまう。

決してスマートじゃないラーメン屋で話し込んでたものだから少しのびちゃった麺をみんなでかきこむ。アツアツな唐揚げを食べたものだから、上顎の皮がズルッと向けた、そんな口で語り合う。

そんな「ブサイクな知性」みたいな観点が
改めて街づくりには、必要な気がしている。

 

 

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文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

http://nakamurasyuji.com/

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