
ひぐちグループで働くヒグチ人をプロライターが深堀りする新企画!
プロが綴る、働く仲間の新たな一面とは?
それぞれの「想い」を知り、繋がりを感じるコラム集。
PEOPLE 09|Tさん
『“こじらせ大賞”を授与する!!』

還暦を過ぎてもずっとこじらせてるワタシが言うのだから間違いない!! このTという巨漢の漢は、ひぐちグループで、最もこじらせている輩である。そのこじらせ方が、大変面倒臭くて、愛おしいので、ここに”こじらせ大賞”を授与する。
まず出身がすごい。熊本・天草。しかもその中の離島。さらにその中の島一周5キロ弱の米粒みたいな離島。信号は、なし。タクシーも、なし。ないない尽くしの“地図の余白”みたいな場所で育っている。
高校へ入学して、いよいよ離島から脱出。熊本市内で一人暮らし。最初に食らった都会の洗礼が、まさかのマクドナルド。食べ終わったトレーをレジ横に置いてしまい「うわ、田舎者」と笑われた。本人いわく、これが第一のコンプレックス。こじらせの入口がマックかい!?笑
さらにややこしいのは、美術の腕前がある点である。中学でちょっと賞を取ったものだから「俺は人と違う道に行く」と美術コースへ進む。
ところがそこに、とんでもない“本物”がいた。自分も特選、相手も特選。でも並べてみたら、相手の絵がえぐい。「なんで同じ特選なんだ」と思うレベル。
しかもその子、のちに筑波大へ行き、漫画家になり、手塚治虫賞(しかも大賞)まで取る。Tは、早々に悟る。「あ、自分、なんちゃってやった」と。
ここで普通は腐る。でもTは、腐りきらずに、やや斜めに生き残る。美大も落ちる。予備校もやる気が出ない。親に怒られる。仕送りを切られそうになる。
そこで「やべえ、働こう」とひぐちへ。入社理由なんて流されるだけ…。親への反発と、生活費のため。新卒じゃない。熊本採用。同期もいない。「新卒どもには負けん」とだけで頑張る!!こじれまくっている。
「俺はなんちゃってだから」。
本物を見てしまった人間の、妙な誠実さだけはある。本物を見分ける目はある。だからこそ、切り取り方、組み合わせ方、見せ方に活路を見つけた。Tは、才能に打ちのめされ、新卒に引け目を感じながら、その全部を、実は、ガソリンにしてきた漢なのでもある。
最後に、こじらせの先輩であるワタシからTへ助言をしておく。
こじらせって、結局、誠実さだと思うのよ。
わかりやすい人生なんて全うできないのが人間様だからね。
誠実であればあるほど、わかりにくくなるのよ。
だからね、一緒にね、こじらせ人生を歩もうぜ!!
文/中村修治
有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長。
1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかった頃から30年以上も最前線で生きているプランナー。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。
ひぐちグループとの関係は創業65周年の時から。以降、ひぐちグループの新CIの開発の総合ディレクションを契機に、週イチたまりばの投稿は、200本に及んでいる。










