HIGUCHI GROUP創業者、樋口謹之助の言葉や逸話を、時代を越えて様々な社員が独自の視点で解説する企画「謹之助の語り部」の第18弾。今回は海外視察を経て改めて感じることができた「本物」についての話です。それではどうぞ。
提供すべき“本物”の価値とは
今回の語り部 : 営業部長 / 西村 壮平
8月下旬から約2週間アメリカとメキシコへ視察に行かせて頂きました。
目的は飲食営業部の新業態開発です。特に今回の視察ではメキシコで食したタコスが大変勉強になりました。実際に現地で食べるタコスは私が今まで体験したものとは違う食べ物で、「これが本場の味か!」と圧倒されました。具材となる牛肉や豚肉の煮込み、ホルモンなどもそうですが、生地から目の前で作り、焼き上げて提供されていました。生地の味は店舗ごとに違いがあり、挟む具材によっても焼いたり、揚げたりと変化させていました。このこだわりこそがお客様を引き付ける魅力なのだと実感しました。
昭和37年に開業した「お手軽割烹ひぐち浦上店」は “家庭料理の延長のような料理ではなく、あくまでもプロが作った本格的な料理を提供する”という謹之助前会長の想いから生まれたものです。今も引き継がれる唐揚げや鶏飯は、そのような価値をカタチにして生まれたものだと産業文化史『大衆に憩いと安らぎを』(牧野茂 著)からも感じとることが出来ます。唐揚げは一ヶ月という時間をかけて、素材の選定から、調理法、味付け、ターゲットまでしっかりと考えられており、開発者である石田元料理長の商品へのこだわり、を感じることが出来ます。
これこそが“本物”というもではないかと感じます。
“本物”とは何か。
・その商品へどれだけのこだわりを持っているか
・その商品をどれだけ愛しているか
謹之助前会長の言葉や今回の視察などを通しそう再確認することが出来ました。
コロナで生活環境が一変し、人の価値観が大きく変化しました。外食に対してはよりお客様の求める価値が再確認されました。お客様は本当に良いと思うものでないと受け入れてはくれません。我々は今後さらに“本物”を提供しなければ生き残ることはできないのです。2023、24年度に向けて再度、各業態の価値を見直し、提供する商品、サービスに磨きをかけていきます。