週イチ「たまりば」No.120 オモロい時代にいっちょかみ!!
2024.01.11
週イチたまりば

 

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

オモロい時代にいっちょかみ!!

2023年の大晦日の紅白を観ていて感じていたことを言語化してみる。

紅白歌合戦のクライマックスは、何といってもYOASOBI「アイドル」だろう。その公式MVは、既に、4億回の再生を記録している。世界的ヒットを背景に、紅白に出演しているアイドルたちがダンスでコラボ。まぁ、なんというか出来すぎているわけ!?

 

…これが、たまたまの産物だとは捉えられなかった。YOASOBIのAyaseは、きっと、こうなることがわかっていたはずである。

Desk Top Music(デスクトップミュージック)=DTMの時代に突入している。パソコンさえ使えれば、誰もが音楽を創作できるようになったわけである。Spotifyに収められている楽曲の何割かは、生成AIで作られたものであるとも聞いた。

 

昭和の時代に音楽体験をしたものにとっては、隔世の感がある。ヒットとする音楽は、才能があって、その才能に気づいた奴だけのものだった。

しかし、令和の今は違う。誰でも作れる環境があるから、誰でも才能追求が出来る。音楽に挑戦する絶対数が、そもそも違う。突出した才能が、次から次へと発掘されるのは、その絶対数の量にある。

 

さらに言うなら、Ayaseをはじめ天才たちは、データを駆使した緻密な戦略を音楽に組み込むことができる。もう感覚やセンスだけではない。その楽曲に、戦略性を感じる。

世間で何が流行しているか!?何が世間を動かせるか!?その上に、ガチガチの音楽理論を被せたらどうなるか!?その緻密な分析があっての4億再生であり、紅白でのあのコラボである。YOASOBIの「アイドル」は、偶然の産物ではない。昭和は、あまりに素朴である。

 

一方で、Amazonでは、、、ECのデータの公開が盛ん。DTMと同じように、みんながECを始められる時代になったと、その攻略方法がOPENになっている。誰もがAmazonで1億円のビジネスが目指せる時代になっているのである。

 

インターネットとそのテクノロジーは、音楽や商いに参加できる絶対数を爆上げしている。その爆発的な量の中から、とても作為的にヒットを飛ばす連中が出現していることを実感している。

さだまさしをSpotifyで再生しながら、このコラムを書いている。こんなオッサンに未来はない。絶対に!!笑

 

…であるなら、その絶対数を押し上げるお手伝いをしながら、その中からめっちゃ賢い若者を検出できる目だけは養っておきたいと考えている。

 

オモロい時代になったものだ。

まだ、いっちょかみだけはしておく。

 

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