週イチ「たまりば」No.122 芸のためなら泣かせてもいいの!?
2024.01.25
週イチたまりば

 

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

芸のためなら泣かせてもいいの!?

 

五代目柳家小さん師匠は…

『要するに了見が悪くちゃだめだ、あの人の噺はなんか聞いていると、本当にいい心持ちだ、とかそういうものが出てくるのが人間性、人物。

だから、やっぱり心が汚れてくるてぇと出てくるものがみんな汚くなっちゃう。ずるい奴はずるい噺になる、生意気な奴は生意気な噺になる。

結局ね、人物ですよ、人柄、要するに了見が悪くちゃ駄目。全部、噺の上に出てくるんだから心は清廉潔白でなくちゃいけない』と遺されている。

 

こういうことは、

若い時には、わかったようでわからない。

恋と愛と煩悩がないまぜになっている頃にはわからない。

 

❝結局ね、人物ですよ、人柄、要するに了見が悪くちゃ駄目❞ 小さん師匠だって、こんな心持ちに落ち着いたのは、きっと晩年。師匠と呼ばれ、人の上に立つようになってからであると思う。

 

ちなみに「芸のためなら女房も泣かす」で有名な初代 桂春団治も、実は愛妻家だと言われている。芸のためなら女房も泣かすと言っても良いのは、女房も、弟子も、後輩芸人も、泣かさないようになってからである。

 

世間を賑わすニュースを見ながら、自分に問い続ける。

ワタシは、清廉潔白か!?

 

 

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