週イチ「たまりば」No.143 文章を書き続けることは!?
2024.07.11
週イチたまりば

 

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

文章を書き続けることは!?

 

 

文章とは、結局、その人となるわけで・・・文章を書き続けることは、書き手を変えることになるのだと思っている。

その人=自分を形容詞で彩ることに苦心するのか!?事実だけがあるとその修飾を捨て去るのか!?ただ、それだけのことである。

“文章を書くときに時間がかかるのは、形容詞を使って表現しようとするからです。言葉を生み出そう、思い出そうとするからです。

文章を書くのが嫌になるの理由の1つに、「表現」しようとしてしまう、ということが間違いなくあると私は思っています。何か気の利いた言葉を見つけることができないか。うまく表現する形容詞を生み出そう、思い出そう。そんなことを考える。それが、なかなか出てくるものではない。結果として、悩む。書けない、という印象を作る。書くスピードも当然、落ちる。

ところが、「形容詞を使わない」と決めた瞬間、必然的に素材に意識が向くようになります。形容詞の「中身」を書かなくてはいけないからです。たとえば「すごく寒い」という状況を、この形容表現を使わずに伝えるためにはどうすればいいか。

「温度計は零下5度を指していた」「手袋をしても、手がかじかむくらいだ」「窓の外を見ると、軒下から伸びるツララが20センチほどの長さに延びていた」これらはすべて、素材を並べて事実を描写しただけですが、「すごく寒い」と比べて、具体的な寒さがイメージできるのではないでしょうか。

あなたが書いた文章を見返して、もし形容詞の量が多かったら、形容詞を素材に変えてみてください。繰り返しますが、素材とは、「事実」「数字」「エピソード」です。”

from 上阪徹『超スピード文章術』

 

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