文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
こんなはずじゃなかった…
45年前、ワタシは、芥川賞作家を目指していました。笑
京都の東山を一望できる古民家で愛人を囲っているはずでした。
ひぐちグループのHPで自慢話を公開している・・・
こんなはずじゃなかったのです。
いまや次女が旦那となる彼氏を連れてきたらアタフタと挨拶に向かう。そんでもって終わったら、カミさんに、なんか緊張してたね!?と笑われる。父の日には、東京の娘たちからプレゼントが届くか!?どうか!?と一日中ソワソワしている。誰がどう見ても、ワタシは“マイホームパパ”ですよ。
こんなはずじゃなかったのです。
谷崎潤一郎のように、年老いてからSMに興じたり。
故郷の先輩の団鬼六のようなエロ小説を書いたり。
ロックンロールな大人になろうと考えていたのに・・・
こんなはずじゃなかったのです。
『この世は、自分を見つけに来るところ』
これは、陶芸家の河井寛次郎さんの言葉です。
ワタシの中には、マイホームパパがあったのですよ。
マイホームパパは、ワタシ以外ではなく、まさしくワタシだったのですよ。
変化じゃないのよ、これは。
最初から、あったのよ。
ないものは、最初からないからね。
むしろ“あたたかい家庭なんて築くかよ!?”という方が無理してたのです。
62歳の年の瀬。
カミさんとふたり切りでお正月を迎える。