週イチ「たまりば」No.185 いや、やると決めてたんで…。
2025.07.10
週イチたまりば

 

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

いや、やると決めてたんで…。

 

バレエに誘われたら、バレエにも。

ミュージカルは!?と言われたら、そそくさと。

面白い方へと決めたんで…。

目の前にカンカン落ちてたら。なるべく拾う。

バス停にゴミがあったら、拾って近くのゴミ箱へ。

ばあちゃんが乗ってきたら、とりあえず席を立つ。

嫌いにならない方へと決めたんで…。

“呑んでるときに「なんか決心していることある?」みたいな話題になったのですが、「英検1級とる」とか「ピアニカで『情熱大陸』をひけるようになる」とかいった決心が飛び交う中、「カンカンが落ちてたら拾ってみよう、と心に決めている」なんて言い出したツレがいました。

「なんでそんなこと心に決めてんの?」と聞くと、いざ目の前にカンカンが落ちていて、拾おうかな…どうしようかな…と思っているうちに通り過ぎちゃうからだそうです。

「ま、どうでもいいんやけどね」と言っていたんですが、「んじゃ、俺は美女が重そうな荷物持って階段上ろうとしてたら運ぶ!おばあちゃんでも運ぶことにするわ!」「じゃ、人が事故ってたら一番に交通整備するわ!」「妊婦に席譲る。決めた。」「行商で荷車ひいてるおばさんいたら、後ろから押す!」「美女が重そうな荷物持って階段上ろうとしてたら運んで、友だちになって、お近づきに…」「もうええわ」勝手知ったる友だちとの酒は本当に愉しいです。

で…そう心に決めていたらできるもんで、その三ヶ月後、ある友だちがほんまに交通整備をしたそうです。「無心でできたわ。理由無く。『いや、やると決めてたんで』みたいな。」”

 

 

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