週イチ「たまりば」No.193 戦後復興の原動力は、何処にあったのか!?
2025.09.18
週イチたまりば

 

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

戦後復興の原動力は、何処にあったのか!?

 

“わたしが戦争から帰ってきたら親が病気してましてね。とにもかくにも食わさないかん、でもわたし持ってんの岩波文庫100冊だけ。赤帯(外国文学)と黄帯(日本古典)と青帯(思想書)。カタイんですけどね。

 

それをなんばの今ある高島屋の前で露天で並べたら、一日で全部売れた。 戦争が終わってみんなメシを求めてるときに、手元にあるのは岩波文庫100冊だけ。冗談みたいな状況だがそれが売れる。

 

「それはわたしね、日本を復活させた原動力だと思う。そういう読書欲が溢れかえっていた。すっごい勢いでもう即日売れた」 みんな腹も空かしてたが、頭もそうだったのだ。”— 92歳の古書店主が語る戦後の本屋の風景

 

いやぁ、いい話だなぁ…。

学ぶことや知ることに飢えた時間かぁ!?

ワタシにそんな時間があったとしたなら大学生活。

アルバイトで稼いだなけなしのお金を”本と煙草とひとり旅”に費やしたあの時。そのひとつひとつを、もうちゃんと覚えてもいないのだけれども、砂金くらいにはうっすら溜まったものだけが、確かに原動力にはなっている。何者でもなく飢えていたあの頃がなかったら、今はない…。

 

 

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