文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
バイキンマンのどこが好き!?
“きれいなものが大っ嫌いなところ”
この子どもたちの素直な感想がすべてだよ。
大嫌いは、大好きなんだよね。
連続ドラマ「あんぱん」が終了したけど…やなせたかしさんは、やっぱり素晴らしいと思う。子どもを舐めていない。いい加減に扱っていない。大人より良識ある人間として子どもを扱っているから、バイキンマンなんてキャラクターが生み出せたのだと思う。
やなせたかしさんは、こんな言葉も遺されている。
「ぼくは優れた知性の人間ではない。何をやらせても中ぐらいで、むつかしいことは理解できない。子どもの時から忠君愛国の思想で育てられ、天皇は神で、日本の戦争は聖戦で、正義の戦いと言われればそのとおりと思っていた。正義のために戦うのだから生命を捨てるのも仕方ないと思った。しかし、正義のための戦いなんてどこにもないのだ。
正義はある日突然逆転する。正義は信じがたい。ぼくは骨身に徹してこのことを知った。これが戦後のぼくの思想の基本となる。逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。これがアンパンマンの原点になるのだが、まだアンパンマンは影もかたちもない。」と…。
裏返る正義なんてクソである。
お日様は、照らすだけである。
社会に影をつくるのは、いつも人間のエゴである。
家でワイドショー見てピリピリしているくらいなら、
こんな好日は、公園に出かけりゃいい。
自分の影をちゃんと踏んだ方がいい。