週イチ「たまりば」No.52 「のほほーん」とするのも大事だよ。
2022.02.18
週イチたまりば

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

「のほほーん」とするのも大事だよ。

あのNHKさんが番組でおっしゃっていた。世界最高性能のMRIを使い、芸人で芥川賞作家としても活躍する又吉直樹さんの脳を調べたところ、「ひらめいたときの脳」の活動範囲と、「何も考えずボーっとしているときの脳」の活動範囲が、ほぼ同じだということが分かったと・・・。

どんなに考えてもアイデアが出ないなら、いったんその場を離れ、のほほーんとすればいいのである。そのとき、ひらめいたときの脳と全く同じように電気信号が大量発生し、活発に活動する。つまり、のほほーんから、名文は生まれているのだよ。

そういえば、ワタシの名文は、退屈でどうしようもなかった、あの大学生の時代に溜められたような気がする。窓に、アルミホイルで目張りを貼り、部屋を真っ黒にしてのほほーんとしていた。あの「のほほーん」とした5年間がなかったら、いまのワタシはない。

すぐに独りになりたくなる。
なーんもしたくなくなる。
それでは、娘も育てられないし、カミさんに怒られるし、会社もままならない。のほほーんとだけしてちゃいけない時間を創るために結婚もしたし、会社も起こした。

そうかっ!?
いまわかった!!!

ワタシは、のほほーんとしたいから、のほほーんとしない時間を設けたのだ。
のほほーんのために、働いているのだ。
のほほーんのために、のほほーんから企画書やコラムを書いているのだ。
ワタシは、のほほーんおじさんなのである。

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