週イチ「たまりば」No.72 不機嫌は損をする。
2022.07.14
週イチたまりば

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

不機嫌は損をする。

 

明石家さんまさんの師匠談である。

《我々の弟子稼業というのは、掃除をさせられるじゃないですか。で、掃除をしていると師匠が、「それ、楽しいか?」って言うんです。「いいえ」って答えると「そやろ」って。「そういうのが楽しいわけがない」と、おっしゃるんですね。そのときに、師匠に「掃除はどうしたら楽しいか考えろ」って言われたんですけど、そこでしたねぇ。あの、掃除なんて、楽しくなるわけがないんですよ。ところが「楽しくなることを考えてることは楽しい」っていうところにね、18歳のときに気づかせていただいたのが非常に助かりましたね。》

ハズレくじを引くどころか、ハズレくじを引いて、それをどう笑うかを考えるわけである。生きてりゃハズレも丸儲けである。

 

愚痴らない。威張らない。ご機嫌でいる。

これが年上の人間の義務となったら、とてもステキなことである。大人がニコニコと愚痴も言わずに暮らすことは、早く大人になりたいという子どもを増やす。

ワタシは、間違いなくメンタルが弱い。こうやって「強い」ってことを言い聞かせていないと、ときどきダメになる。「許す」と言いながら、許していない自分が出てきてしまう。浅いけど、とっても薄っぺらだけど、ご機嫌に生きたいと強がっている。

いつもピリピリしているやつ。いつも不機嫌なやつ。いつも怒っているやつ。いやはや困ったものである。結局、それって自分だけの「解釈」に振り回されているだけである。自分の「解釈」だけが正しいと思うから、腹が立つ。

100歩譲って、その「解釈」が正しいとしても「事実」は変わらない。変わらない「事実」に、いつまでも憤慨している脳みそは、脳力の無駄使いである。
みんながご機嫌になるように、脳みそは使いましょ。

 

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