文/中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
ワタシは、現金です。
ワタシは、カミさんや娘たちにとって、間違いなくATMです。人肌のATMです。優しくされると、なるたけ上限までお金を吐き出します。ナデナデされた、そんな翌日には、引き出し希望金額より、少し多めに出しちゃったりします。
疲れると、ときどき、自ら電源を抜いて休んだふりをします。故障したりするとマズイので、自分でご褒美。ひとりであんなことをしたり、あんなとこに行ったりします。カミさんや娘たちには、内緒です。
ATMは、面倒臭いです。複雑です。メンテが必要になります。愛情がなくなったら、ATMの管理もしたくないものです。
横浜に住む長女が結婚すると言い出しました。
その近所に住む次女の同棲も発覚しました。
そろそろATMとしての役割も終了のようです。
これからのワタシは、カミさんにとって何か!?
深く考えて、答えが出ました。
ワタシは、現金です。そう思えば、ATMより扱いはカンタンです。腹が立てば破り捨てればいい。火をつけることもできます。握りつぶすのもいいですね。電気も通っていません。300000円は、300000円です。500000円は、500000円です。それ以上でも、それ以下でもありません。
子孫繁栄&種の保存のために、人間という動物は、常に損得勘定をしています。それがあまりにも露骨なので、愛情だったり、恋愛だとか、複雑なロジックを持ち込んできます。
世の中は、現金なものです。
結婚なんて、その最たるものです。旦那をATMに見立てるなんて、まだまだ、情が絡んでいます。現金です。現金以下になった旦那は、種の保存のためにも、必要なくなったということです。
うーん、
なんとも素敵な如月のはじまりである。