週イチ「たまりば」No.63 カミさんが記憶を食べていく!!
2022.05.12
週イチたまりば

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

カミさんが記憶を食べていく!!

昔々、男たちは、狩りに出ていました。マンモスやトラに襲われても、また、狩りに出なくてはいけません。前の失敗を記憶してクヨクヨしていてもお腹はいっぱいになりません。そこで、前のことは忘れる。アホになるという脳みそを手に入れました。目の前の記憶など消して、獲物を捕ることだけに長けて行ったのです。

一方、家を守り、子育てをする女性たちは、生き延びるために、食べられる植物の見分け方、猛獣の出てくる気配、過去の失敗から多くを学んでいきました。
女たちは、記憶することが最大の武器となったのです。

ワタシは、結婚して32年目。
ほとんど何も覚えていません。
家族の記憶は、いつも断片的です。

でもね、男がね、小さなことまで憶えていたらね、ことあるごとに傷つけていたと思うのですよ。「忘れる」という能力のおかげで、言い争いを避けているのだと思うのですよ。女と男はね、太古より互いに補完されているのですよ。

歴史の教科書なんて都合の良いとこだけ編集されて残ったものです。大筋さえ合ってればそれでいい。アホみたいに大雑把だから感動作品になるのです。男の頭ん中は、適当なんですよ。そんなもんです。

生きるという能力においては、女性の方が、男性よりも一枚も二枚も上手です。ワタシは、間違いなくカミさんに転がされています。夜な夜な、枕元で、ワタシの記憶を吸い取っているのではないかと思うほどです。過去の記憶を持ち出されたら、男たちはグゥの音も出ないのです。家庭の主導権を握る武器は、「記憶」ですからね。

結婚して20年も過ぎるとね・・・
カミさんは、旦那の夢と記憶を食べるバクになるのですよ。
その方が、みんなシアワセな夢が見れるのです。

 

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