週イチ「たまりば」No.9 仕事の現場は、ライブである。
2021.04.14
週イチたまりば

 

仕事の現場は、ライブである。

それだけ本を読んでいるのに、出てくる企画書は、えらくショボイ。講演会や勉強会には、積極的に参加しているのに、毎日の仕事に、なぜか活かせていない。そういう人は、この社会にいっぱいいる。どちらかというと、そっち側の人の方が多い。ビジネスのノウハウ本や成功の秘訣に類する書籍がベストセラーになるのに、その通りに成功している人は、少ない。これだから、世の中は、おもしろいっ!

「どんなときに、どうすれば良いかという知識」は、本屋でもインターネットでも、気軽に仕入れられる。その類の情報は、等しく手に入るようになった。簡単に学べる。しかしながら、成果には、ひとそれぞれに差が出る。どうしてこんな理不尽なことが起こるのか?

要は、「いまがどんなときか?」を感知する能力の方が大事だということである。「どうすれば良いかという知識」は、「いまがどんなときか?」を感知していなくては、猫に小判。どんな素敵な技術を持っていても、素晴らしい情報を蓄積していても、その感知能力が低ければ『上手い!』とは、評価されないわけである。

『上手い!』と評されるプレゼンターは、聴衆の顔の表情や、時計をみるタイミングや呼吸の仕方などの変化を、きっと感知している。そのタイミングに合わせて自分の情報や熱意の引き出しを開けているはずだ。

仕事の現場は、ライブである。そこにしか存在しない空気がある。
いちばん『上手い人』は、その空気の『上手≒うわて』に居る人だということである。

 

 

 

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文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

http://nakamurasyuji.com/

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