
ひぐちグループで働くヒグチ人をプロライターが深堀りする新企画!
プロが綴る、働く仲間の新たな一面とは?
それぞれの「想い」を知り、繋がりを感じるコラム集。
PEOPLE 36|イイダコさん
『たこやき10個とビール3リットル。』

イイダコさんは、休日になると、デリバリーでたこ焼きを頼む。5個入りを2パック。理由は簡単だ。「1個だけ頼むと、配達員さんに悪いから」。
なんだその優しさ。お供は、糖質ゼロビール500mlを6缶以上。つまり3リットルである。飲んで、寝る。起きて、また飲む。お腹が空いたら、冷めたたこ焼きをつまむ。ドラマも見ない。音楽も流さない。ただ、ぼーっとしている。
「面白くないですよね」と本人は笑う。
いやいや——めちゃくちゃ面白い人生である。かなりキツい結婚生活をくぐり抜けてきた。若い頃、付き合ってすぐ妊娠。そのまま結婚。だが、相手は、なかなかの“クズ旦那”。ギャンブル。浮気。暴力。パチンコ屋の駐車場で大喧嘩したこともある。しかも、その理由が、「自分を待たせて、奥さんがパチンコで連チャンしてたから」。地獄みたいな話である。笑
だが、イイダコさんも強い。「マジで”ピー(放送禁止)“と思った」と、いまでは酒のツマミみたいに話す。ここが、この人の凄さだ。過去を、“湿っぽい悲劇”にしない。人生の修羅場を、ちゃんとネタに変えている。
もちろん、その時はキツかった。息子を抱え、「一人で育てられるかな」と不安だった。泣いた夜も、山ほどあったと思う。でも、離れた。ちゃんと物理的に離れた。そして今、「あの旦那だけが異常だったんだな」と笑えるところまで来た。これは、かなり強い。
まるみつで働いている。普通ならパチンコ嫌いになりそうなものだ。だが、彼女はそこで知った。「普通に楽しんでる人も、ちゃんといるんだ」と。つまり——“パチンコが悪い”んじゃなく、“元旦那が悪かった”だけなのだ。笑
仕事では、怒っているお客様をなだめる役回りが多いという。下から行く。目を見て話す。強くぶつからない。すると、不思議と相手が落ち着く。たぶん彼女は、人生の“荒れた人”を見すぎてきたのだ。
ドラマみたいに綺麗じゃない。
でも、ちゃんと笑っている。
人生の修羅場とイイダコがまんま入ったおいしいたこやき10個を
糖質ゼロビールでまるっと流し込みながら、
今日もしっぽり、生きている。
文/中村修治
有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長。
1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかった頃から30年以上も最前線で生きているプランナー。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。
ひぐちグループとの関係は創業65周年の時から。以降、ひぐちグループの新CIの開発の総合ディレクションを契機に、週イチたまりばの投稿は、200本に及んでいる。

シン従業員紹介「HOME ROOM」バックナンバーはこちら。









