謹之助の語り部 episode12
2021.11.02
謹之助の語り部

HIGUCHI GROUP創業者、樋口謹之助の言葉や逸話を、時代を越えて様々な社員が独自の視点で解説する企画「謹之助の語り部」の第12弾。今回は、ひぐちグループの外から見た樋口謹之助の姿についてです。それではどうぞ。

 

外から見た樋口 謹之助の背中

 

今回の語り部 : 三宝産業 / 升水 直幸

私はひぐちグループに入社して5年ほどにしかなりません。ですのでこれまでこのコラムを担当されてきた皆様とは違い、入社してからは謹之助会長(当時)との接点はありませんでした。しかしながら、実は入社前に数回お会いしたことが有ります。今回は、ほんの数回ですがお会いさせて頂いた際の謹之助会長の印象を書かせて頂きます。

 

【 初対面】

私が謹之助会長とお会いしたのは、今から19年前、まるみつ畝刈店の起工式の現場でした。当時の私は30代前半で前職のハウスメーカーで、営業担当の主任職でした。それまでにひぐちグループの担当として、ジョイフルや遊INGの店舗の立ち上げを複数担当させて頂き、ひぐちグループの担当課長の方々も複数人知っていましたし、省二社長(当時)とは何度かお話させて頂いたことがありました。しかし、謹之助会長とはその時までお会いしたことがありませんでした。起工式に参加される方々が続々と到着するなか、小柄な年配の方がおられました。その方が謹之助会長でした。ひぐちグループの創業者に初めてお会いするということで、大変緊張しており、眼光鋭い、迫力のある方だなぁと思っていたところ、名刺交換の後で、

「あなたにお世話頂いたと聞いとります。本当にありがとうございます」

と非常に丁寧な感謝の言葉を頂きました。恐らく、事前に契約に至る経緯をお聞きになっていたのだと思いますが、他に上司もいるなかで、まだまだ若手だった私に声をかけて頂いたことに非常に驚くと共に、自分の仕事が認められたことに喜びを感じました。恐らく、常日頃から社員の方々の仕事ぶりに目を配っておられるだろうと思いました。

 

 

【 地域の皆様への配慮 】

また、地権者の方に引き合わせしようとご案内する際も、

「地主さんは気持ちよく貸してくれたとね?」

「近隣の方から反対はなかったですか?」と確認され、

『大丈夫です。ひぐちさんなら安心して貸せますと言って頂きました』

『反対もありませんでした』とお答えすると

「それは良かった、ありがとう」とおっしゃっていました。

地権者の方に配慮し、相手の立場を慮って、
しっかりと状況を確認してから挨拶しようとの気配りを感じました。

 

【 お店作りにかける情熱 】

起工式が終わり、すぐに帰られるのかと思っていると、敷地の外周を歩き始めました。私も後ろから付いて歩かせて頂きましたが、

「ここは埋立地か?」

「元の所有者は誰か?」

「お客さんはどこから来ると思うか?」

「競合店より良い立地か?」

「駐車場は十分足りているか?」等

私とひぐちグループの担当者に次から次へと質問しながら、3500坪の敷地をゆっくりと、一つ一つ確認するように歩いて回りました。謹之助会長は当然、事前に現地も見ていたでしょうし、当時はもうご高齢だったと思いますが、最後の最後まで細部にこだわる姿を見て、店づくりにかける情熱を感じさせられました。

 

-最後に-

ひぐちグループに入社してからも、ベテランの社員の方々と話をさせて頂くと、端々に謹之助会長の影響を受けたであろう言葉が聞こえてきます。残された資料や言葉の数々に触れる度に、本当にすごい方だったのだろうとの思いを大きくし、もし、もう一度話す機会があったら、今度は、どんな言葉を頂けのだろうかと、叶わなかった機会を残念に思います。

謹之助会長の言葉は、脈々と社員の中に生きていると思います。この独特の考え、想いはひぐちグループを形成している大切で、大きな要素だと思います。

 

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