PEOPLE 20|Mくん 「全部ぶっ壊してぇな」みたいな感じ!?笑
2026.05.12
シン・従業員紹介「HOME ROOM」

 

ひぐちグループで働くヒグチ人をプロライターが深堀りする新企画!
プロが綴る、働く仲間の新たな一面とは?
それぞれの「想い」を知り、繋がりを感じるコラム集。

 


 

PEOPLE 20|Mくん

「全部ぶっ壊してぇな」みたいな感じ!?笑

 

M君は、かつてギターを持って叫んでいた男だ。
名門K大の軽音楽部の出身。
さらに、男子寮の同居人とバンドも組んでいた過去がある。
流行りの音楽がぬるく見えた。

世の中の常識が、どこか窮屈に感じた。

だから、ギターを持って叫んだ。

理系の学生でありながら、寮にこもり、酒を飲み、音を鳴らし、ロックンロールをやっていた。「全部ぶっ壊してぇな」みたいな——それだけである。

 

バンド名は「ハナレトニック」。ハナレという居酒屋で飲んでいたのがジントニックだったからって名付けたバンド名。若気の至りと言えばそれまでだが、その“どうでもいい始まり”の中に、ちゃんとした本気を感じる。

 

ただし——彼は、壊しきれなかった。単位はギリギリで取り、留年もせず、なんだかんだで就職して、ひぐちグループに落ち着いた。『結局、安定志向なんですよね』そう自嘲する彼の気持ちは、痛いほどよくわかる。ワタシも、一緒だ、ここで暴露するが真面目なだけが取り柄のプランナーだ。国家転覆を妄想するだけのしがないプランナーだ。

 

でもね、こういう輩の、こころのその奥には、いまだに消えていない火種がある。『こいつは超えてやる』。上司を見ながら、そう思う。ずっと反骨している。納得できなければ動かない。意図がわからなければ止まる。頑固だと言われる。めんどくさいとも思われているかもしれない!?

 

だが、それでいいんだ!!

納得して動く人間は、遅いかもしれないが、一度走り出すと、ブレない。彼は一度、“外に向けて壊す”ことを諦めた。その代わり、“内側から越える”ことにした。そして、ちゃんとやっている。

 

全部を壊す必要なんてない。少しずつ、ズラす。静かに、食い込む。気づけば、景色が変わっている。それが、大人のロックンロールだ。

 

「全部ぶっ壊してぇな」その衝動は、いまも消えていない。ただ、やり方が変わっただけだ。外に叫んでいた声は、いま、内側で鳴っている。

そして、その音は、たぶん、前よりも遠くまで届いている。 

 


 

文/中村修治

有限会社ペーパーカンパニー 代表取締役社長。
1962年近江の地で生まれる。1986年に立命館大学を卒業。1989年にバブルの泡に乗って来福。1994年に㈲ペーパーカンパニーを設立し独立。福岡に企画会社など存在もしなかった頃から30年以上も最前線で生きているプランナー。「JR博多シティ」のネーミングや「テレQ」のCIなどが代表的なお仕事。コラムニストとしても多誌で執筆。福岡大学の非常勤講師も務める。

ひぐちグループとの関係は創業65周年の時から。以降、ひぐちグループの新CIの開発の総合ディレクションを契機に、週イチたまりばの投稿は、200本に及んでいる。

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