週イチ「たまりば」No.76 “余白”にあって”空白”にないもの。
2022.08.18
週イチたまりば

文/中村修治

企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やJR博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。

 

“余白”にあって”空白”にないもの。

 

 

日の丸の日章の位置と面積は決められている。赤い日章の専有面積は、18.84%である。日の丸の印象を決めているのは、約20%の日章であるという見方もあるが・・・。よく思い出していただきたい。80%以上の”余白”を残した国旗なんてないのである。世界一、白い部分が多い国旗が日の丸でもある。

日の丸が美しいのは、80%以上の”余白”にある。
“余白”には、意図がある。

意図があるから埋めてはいけない。

日本人は、コスプレが好きである。そこで売れ続けるフェィスマスクというのがある。アメリカのあの大統領や、マイケルジャクソンや、安倍さんとかが売れるのはわかる。しかし、毎年、ちゃんと一定数売れると言う定番があるという。

それは何か!?「スケキヨ」である。那須湖に頭から股まで裸で捨てられ、二本の脚のみが静かな水面に突き出ていた映像が印象的なあの犬神家の一族に出てきた真っ白な顔のやつ・・・。

なぜ!?スケキヨマスクは売れるのか!?要は、真っ白だから。購入者が弄って遊べる”空白”があるからである。スケキヨマスクは、勝手に落書きできるからである。

“空白”には、意図がない。
意図がないから弄られる。

ちなみに、ワタシが生まれ育った滋賀県における琵琶湖が占める面積は、約17%だ。残りの83%は”空白”である。おかけで「滋賀県って琵琶湖しかないよね!?」と弄られ続けている。反論の”余白”がない。

 

週イチたまりばバックナンバーはこちら

 

一覧へ