自分だけの秘密が”人生”だよ。
弱小ながら会社を経営して27年。結婚生活は、31年目。大阪、東京、福岡と3つの都市での社会人生活合計35年である。棺桶まで持っていくと決めた秘密まで、もう記憶が怪しくなってきた。ホントにボケたら、棺桶に入る前に全部喋ってしまいそうで、うかうかボケてもいられない昨今である。
不倫にしろ、新興宗教への狂信にしろ、相手がいる秘密は、その秘密がはじまった時点で、バレる可能性をひめている。そんなもんは、秘密でもなんでもない。他人が絡んだ秘密など、秘めごと程度のもの。いつか明かされる羽目に合う。
本来、秘密とは、自分だけでつくるものである。自分の死とともに、この世から消えてしまうのが秘密である。50歳も越えたら、自分だけの秘密をつくることに、時間とお金を使うべきなのである。誰にも言えない秘密を抱えて棺桶に真っしぐらである。
そうして、気がつくことがある。実のところは、その秘密のほとんどは、しょーもな過ぎて誰にも言えないのである。ワタシは、しょーもない秘密に埋れて棺桶に入ることになるのである。精神の成長なんてしないことを、歳をとってから自前で確認することが成長の証である。精神の成長なんてしないと知ってからが残りの人生である。相手のいないままつくる秘密なんてたかが知れている。自分だけの秘密をつくれるようになってわかることは、そういう秘密の原理である。
ここだけの秘密だけど、ワタシは、想像以上にしょーもない人間なのだよ。
文／中村修治
企画会社ペーパーカンパニーの代表取締役社長。PR会社キナックスホールディングスの取締役会長。福岡大学非常勤講師。滋賀県出身。Good不動産やＪＲ博多シティのネーミングなども手掛けた戦略プランナー。西日本新聞「qBiz」やitMedia「BLOGOS」のコラムニスト。フェイスブックのフォロワー数は、9000人越え。
