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今月のメッセージ

今月のメッセージ

Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

寄道小径 2021年7月・8月

『 TOKYO 2020+1 ついに開幕 』

 

新型コロナのパンデミックの中、五輪史上初めての延期となり、
開催自体が危ぶまれる程に、大きく揺れ動く過酷な道のりの末、
行われた開会式である。

式自体もこれまた史上初めての無観客。
4時間近くの式典を、私自身生まれて初めて、
初めから終わりまでテレビ越しで見ることが出来た。

開会式は新型コロナによって全世界中で亡くなった方への黙とうで始まり、
極力お祝いムードを抑えたもので、一見地味に見えてしまうのは至極当然のことである。
翌朝の世界各国メディアならびにキャスターたちの意見も賛否両論で、
大きく感想が分かれる結果となった。

様々な事情により大きく変更を余儀なくされたなか、
23日午後8時の開会式まで間に合わせられたことに感銘を受けると共に、
205か国とその選手たちを競技場に招き入れられたことは、
選手のこれまでの労への、せめてものねぎらいとなったのではないか。

この歴史上類を見ない新型コロナは、あらゆるものへ否応なしに問うのである。

今の今まで崇高であったはずのオリンピックでさえ
「誰のための」「何のための」オリンピックであるのか、
「その価値は」なんであるのか。

開会式は誰もがもがき苦しみ、限られた時間の中での振り絞った結果の
式典であったような気がする。

これまで世界が作ってきた価値基準が通用しなくなり、
生まれて初めて、日本が独自の価値基準を世界へ示すことになったことで、
改めて自国のアイデンティティを直視することが出来たのではないか。

式典自体の賛否は、そのリトマス紙として、我々自身が日本国民として、
どのような声も受け入れる謙虚さを持つことが出来れば、
コロナ後の新しい時代に世界へ大きく貢献できるものと確信する。

とは言いつつも、このオリンピック・パラリンピックで選手達が力を発揮でき、
無事に終わることを切に願うとともに、選手達の様々なドラマに出会えることを
心より楽しみにしたいと思う。

頑張れニッポン!