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今月のメッセージ

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Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

寄道小径2023年12月

『テクノロジーと科学の進化② (MSG Sphere)』

 

2023年7月初旬、ラスベガスにとんでもない物が出現した。

高さ112m(30階ビルの高さ)、全面がLEDパネルで覆われた球状建造物である。
2022年8月ラスベガスを視察した際、建設中の巨大な球体であろう建築物を見たときに久二先生(株式会社ZEN環境設計 代表)と「何なんだろう?アドバタイズ(広告)活用する物では?」と会話した記憶があった。

実は、この球体建造物は2万人収容の球状構造劇場であった。

同年9月に行われたこけら落としのコンサートはU2であった。

ご興味のある方は2時間ちょっとのコンサートがフルでYouTubeにアップされているので、是非観ていただきたい。

ステージ自体はスタンドライトが数本というありえないくらいのシンプルなのだが、
新時代のデジタル・アート・エンタテインメントをまざまざと見せつけられる、とんでもないステージであった。YouTubeで観るだけでこのレベルだから、直のライブは想像がつかないほどである。音響だけでも、この劇場には16万個のスピーカーが設置され、2万席のどの席からもタイムラグなく同時に最高の音響で提供される仕掛けだそうだ。

コンサートだけでなく、たくさんのものがYouTubeにアップされているので観ていくと、
16Kの360°映像は映像データだけでも50万ギガバイトととんでもなく、
そこには「匂い」空気/振動/温度などの「体感」も加えて、最高峰の「エンタメ技術革新の結集」なのであろう。
ある親子の体験映像では始めから終わりまで「Oh, My God !」の連発であったことがその凄さを物語っていて、
私自身もYouTube越しにも関わらず度肝を抜かれ、唸ってしまった。

 

テクノロジーの進化は、ラスベガスのランドマークをベラージオの噴水ショーの時代から、
ここ「スフィア」へ変えるばかりか、エンタメ自体の在り方を変えてしまうのでしょう。
U2のコンサートを皮切りに多くのアーティスト達が、このハードの可能性に向けて様々な試みを挑み、
世界中の多くの人々がこれを体感していくのである。

『MSG Sphere(スフィア) 』総工費3,400億円。

大阪万博総工費2,350億円。
金額ではないのであろうが世界に誇れる日本の最先端の万博ショーは大丈夫なのであろうか。

…と言ってる場合ではなく、我々の現状のビジネスの在り方も大きく転換していくと感じさせられるものであった。

 

参考YouTube

▼ U2 こけら落としコンサート