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今月のメッセージ

今月のメッセージ

Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

寄道小径2021年12月

クリスマス

 

いつからぐらいだろうか?クリスマスという存在を意識したのは。

1955年生まれの私にとっての幼いころのイメージは、
今みたいなアットファミリーな感じではなかった。

現実、商売人の家の12月はまさに師走。子供たちの手も借りるほどの大忙しで、
そんなどころではなかった。当時我が家は、3世代で2家族の大所帯。
クリスマスケーキは当時としては、若干は大きめではあったのであろうが、
ワンホールのクリスマスケーキも、自分の手元に来るのはほんのわずか。
一人っ子へのあこがれを持っていた幼き頃の記憶。

浜口町の街中に住んでいたせいか、当時はおやじたちが飲み屋街に繰り出し、
キラキラした紙の三角帽子(今となってはあの三角帽子は何だったのか不思議である)を
頭に、飲み屋のおねーちゃんとキャッキャ騒ぎ立て挙句の果て路地裏でゲロ。

良い子にしていたところには、夜な夜なサンタクロースからクリスマスプレゼント!
とは程遠い現実であった。それでも、親たちがせっせと子供には夢を与えようとして
いたせいか、クリスマスのキラキラした飾りと、優しそうなサンタさんは、
どことなく好きであった。しかしながら、自ら進んで飾り付けをやったり、
クリスマスプレゼントを誰かのために買うこともなかった。

渡米前までは・・・・。

その当時ハウスメイトであったJohnが
“サンクスギビングもクリスマスも一人で過ごす可哀そうなジャパニーズ”を
実家のホームクリスマス誘ってくれた。(当の本人はそう寂しくもなかったのであるが。)

行くからには何かプレゼントを持っていかないと。
両親のRedとMarshaには日頃お世話になっていたこともあり、
喜んでもらいたく、慣れないプレゼントを思い悩みながら用意し、いざ訪問。

行ってみたら、Johnの兄弟たちも参加するという事で、ちょっとした
ホームパーティであり、それを彩るのが“七面鳥”の丸焼きである。
添え物のジャガイモのオーブン焼きの皮を残して、お母さんのMarshaから
「皮に一番栄養があるから食べなきゃダメ!」としかられつつも、
こんがり焼けたジャガイモの皮が、意外にもおいしい事も教えられた。

ロウソクとチカチカと点灯するツリーの明かりが、
今までに味わったことない妙な暖かさを感じた。

食事が済むとプレゼント交換であった。今となっては何を買ったか覚えてないが、
ことのほかMarshaが喜んでくれ、ハグされたやさしさが記憶に残り、
贈る喜びを知ることができた。

住んでいたところは田舎町であるが、クリスマスシーズンになるとどこよりも早く
イルミネーションを始めるのが町の警察署である。ガタイのいい男女の警察官が
寒い雪の中、誇らしげに飾り付けをしていることもさら印象深く残っている。

 

「Warm:暖かく」「Peaceful:平和的な」で

「Happiness:幸福・幸せ」がそれからの私のクリスマス。

 

残念なことに、今はRedもMarshaもそして大親友であったJohnもこの世にはいない。
それはプレゼントを贈りたくても贈ることができなくなる寂しさを、
彼らからもう一つのクリスマスの意味として教えてもらったようである。

皆さんも私は仏教だから!と頑固にならず、大切な身近な人のちょっとだけ
喜んでくれる顔を思い浮かべて、大したものでなくてもいいから、感謝と想いを
そっと込めて、勇気を出して贈ってみてはいかがでしょうか!?

まだ間に合いますよ!!!

今年もありがとうございました。

良き、クリスマスを!