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今月のメッセージ

今月のメッセージ

Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

寄道小径2022年12月

『慮(りょ)』『慮る(おもんぱかる)』

 

今年の漢字一文字は「戦」だった。

サッカーW杯サポータ―達のごみ拾い、選手達のロッカールーム清掃、森保監督の御辞儀
事もあろうに清掃によって他の人の仕事が奪われるなどの意見もあり物議を醸した。

更にここにきて長野市での「公園廃止問題」。
数年前には似たような話で「除夜の鐘中止」もあり、こちらも炎上した。
身近な長崎での話では、「紅葉前の街路樹伐採事案」があった。
伐採した行政曰く「落葉ですべりあぶない」とのクレームがあり伐採したとの事。

これらの話、どちらが正しいとか話をするつもりは、毛頭ないのであるが
「日本ってこんな国だったのか?!」と考えこんでしまうのが正直なところだ。

 

以前は特に感じていたのだが、海外に行くと人とのすれ違い時に違和感を持つ。
個人差もあるが、国によっては往々にして路をゆずることなく突き進む人が多いと感じる。

ただ「我が強いよね」というだけではない。何かが違うのである。
すれ違いざまに、強い口調で「すいません!」と言うのか。
遠慮がちに「すいません」と言うのか。ただただ何も言わないのか。
雨の日のすれ違う傘の状態がまさに、そうなのであろう。
最近では国内でも、互いに遠慮し傘を斜めにする人が少なくなってきている事は
いたってさびしい事である。強い口調で言うか、まったくなにも言わないかが
多くを占めていることが、今の風潮ではないか。

 

個人を尊重し、少数意見も大事な事である。
だからと言ってすべてが”Yes” or “No”のどちらかでもないのではないか。
日本人が日本人たる所と、新しい時代に向けてグローバル化に対応するために
勇気と根気を必要とする。
“Don’t care” “Don’t Mind”いずれの答えの出し方も大いにあると感じるこの頃である。

 

今年の私の漢字一文字は、慮る(おもんぱかる)の「慮」(りょ)。

「慮る」とは「周囲の状況などをよく考慮する」「思い巡らす」という意味で
相手の境遇や状態または感情などに思いを巡らせ配慮するといった意味で用いられる。
注:「慮る」は「おもんばかる」でなく正しくは「おもんぱかる」である。

へ~知らなかった。