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今月のメッセージ

今月のメッセージ

Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

2022年5月のメッセージ

『時代とモノサシ』

 

今年のグラミー賞に参加していたジャスティン・ビーバーのいでたちは、
最先端であろうオーバーサイズスーツにオーバーサイズクロックスであった。
それも超オーバーサイズである。ついこの前まで、ぴったりとしたスリムタイプが
主流であったものが大きな振れ幅である。
そういえばユニクロで、ペインターパンツのようなシルエットのワークジーンズが、
こそっと売られていたのもその流れなのであろう。
ファッションは4・50年サイクルで巡ってくるもので、年配世代には
「そういや、昔こんなの着てたよな」といった雰囲気であるし、最近の音楽も80’Sの
香りをまとった曲がやたらと目に、いや耳につく。
これらも若いリスナーからすると新しいもので、これがトレンドなのである。

 

ビジネスの大きな骨格はマーケティングとマネジメントである。
お客様を相手に物を作ったり売ったりするビジネスに携わっていると、
立案する者だけでなく、意思決定者がこのマーケティング力、
いわば時代を捉える力のようなものがないと致命的なことになってしまう。
これは誰しもが認識していることである。

とはいうものの、当事者たちは自らのマーケティング力が錆びつき始めたことに
なかなか気付かないのが世の常である。ましてや力があった人ほど、取り巻く周りが
苦言を言うことなど望むべくもない。いわば裸の王様状態なのである。
だからといって永遠と第一線級のマーケティング力を保てるものでもない。

 

では延命する方法はないのか。

自分の状態に気づく方法はないのか。

 

やはり大切なのは、自分自身の判断基準であり客観的に見ることが出来る、
自分のモノサシを持つことではないか。

モノサシとなるものは“何でもあり”なのですが、
それ自体が持続可能という事ではなく、自ら継続可能な状態にしなくてはならない。
自分自身が最も好きなもの、こよなく愛するものがベスト。そうであれば苦でもなく、
義務でもないから、難なく続けることが出来る。続けているからこそ些細な変化にも気付き、
探求心も次から次に湯水のように湧き起こってくるものである。

それが本でも洋服でも映画でも音楽でもスポーツでも何でも良い。
大切なのは、そのカテゴリーの中での世間の評価である。
ランキングであったり、ヒットチャート、ベストテンなどを常に視野に入れ、
「これが来るな」「これは評価されるはず」など、
世の中の動きと自分の感性の働きが理解できる範囲で確認することを怠らなければ、
感性の錆は延命できることでしょう。

ここで注意すべきは、ヒットチャートなどすべてに共鳴し、理解しないといけないわけでないということ。
おおかたで構わないし、所詮すべてのものに対して共鳴し、理解できることは不可思議と思うのが自然である。
(そういえば1970年に世界的に大ヒットしたサイモン&ガーファンクルの名曲中の名曲と言われる
「明日に架ける橋」は、発表当時からどうしても『この曲は凄い!』と思いきれない一曲で、
感性の不完成を痛感させられたことを思い出しました)

自分のマーケティング感性を錆びさせない為にも、
改めて自分がこよなく好きなものから、世の中のマーケティング状況を確認する
自分のモノサシを見直しては如何でしょうか。

 

最近『ん?!』と思った事が一つある。
iPhone13 の新モデルカラーが『アルパイングリーン』濃ゆいウグイス色だったことである。
今の今まで、発売されてきたメインカラーのほとんどに『かっこいい!』と感じてきたのだが。
皆さん、この色どのように感じましたか。