Message

今月のメッセージ

今月のメッセージ

Monthly Message

ひぐちグループ 代表取締役社長

樋口 益次郎

2022年7月のメッセージ

『ブランド』

 

「ブランド」というと何を思い起こしますか?

本来の意味は商標であったり銘柄であったりするのですが、
我々が日常に使っている意味はイメージの総体を指すものです。

 

では、みなさんはユニクロというとブランドはどのように思い起こされますか?

「安価」「シンプル」「ダウン」・・・
各自さまざまなブランドイメージが思い起こされることでしょう。

それはどのようなところから形成されたのか?
「商品自体」「サービス」「外観」「ファシリティ」「ロゴ」

そして、それはどうやって形成されたのでしょうか?
購買をした経験値? 他社との比較? 周りの意見? CM? チラシ?

 

日頃はさほど目にすることもない宝飾品で有名な
「ティファニー」のブランドイメージは如何でしょう。

「高価」「若い」「清潔」
どうしてそのようなブランドイメージを持っているのでしょう?

 

はたまた、例えばトヨタの新車発表。
「トヨタらしい」「トヨタっぽくない」とかよく耳にする言葉ですが、
それはどこから来るのでしょうか?
トヨタ車の中にはクラウンという高級車から、一般車のカローラ、
エコでコンパクトなアクア、世界を席巻したプリウスなど
様々な車種車両がありながらトヨタのブランドを形成しています。
“ Fun To Drive ”のCM。“ トヨタイムズ ”のCM。
これらはともにトヨタのブランドを大きく後押ししています。

かと思えば街中で赤の自販機を見ると反射的に
コカ・コーラを連想してしまう。これもまたブランドなのです。

 

我社においてもそうです。
例えばパチンコ部門の店舗ブランドは、各店が日々の営業から
商品選定・商品構成・商品品質・サービス・店舗環境・店舗ファシリティなど、
お客様が体感するすべてのもの、紡ぎあげてきたモノから
店舗ブランドが形成されているのです。

先日、福岡の地元の老舗ホテルに泊まった時。
やっとコロナ禍からの出口が見え始めての営業。
駐車場スタッフも、フロントも最高の接客での応対は流石であった。
そのような中、朝食のビュッフェでの出来事でした。
手元の狂いでジュースをこぼしてしまい、近くにいたアルバイトであろう
若い女性に「すいません、こぼしてしまったのですが・・・」と声をかけた所、
その店員は怪訝な顔でぶすっと「そのままにしといて下さい」と一言。
昨日から積み上げられてきた素晴らしいブランド評価、
100点+100点+100点+100点+50点=50点!?になってしまったのです。
当然ながら、接客をしているのがアルバイトであっても
お客様にとっては誰であろうと同じなのです。

まるみつなどの事業ブランドは、わかりやすく言うと
個々の店舗ブランドの最大公約数が事業ブランドとなる訳ですが、
最近あった大手すしチェーン店の不祥事は、一つのことでブランドを
大きく傷つけてしまう事を表した事例ではないでしょうか。

またその上位にある企業ブランドは、それぞれの事業ブランドが
結集したものになるのは言うまでもありません。

では各店はどのような店舗ブランド・事業ブランドを意識共有して
営業をおこなっているのでしょうか。

 

近年ではブランドは『持続可能な競争優位や信頼できる資産』として
捉えているのが一般的になっていますが、一般的に言われているブランド
の資産には3つの側面があります。

1つは「ブランド認知」
最近ではこの認知も「潜在性」と「信頼性」の2つの要素と考えられています。
先にお話をしたユニクロの例などがそうではないでしょうか。

2つ目は「ブランド連想」
ブランドから派生する様々な連想のことなのですが、トヨタらしい車と
いうのもその一つです。

3つ目は「ブランドロイヤルティ」
単に広告や広報部門が取り扱うものでなく、
現場でのお客様のユーザー体験が大きな影響を及ぼす事を示すのです。

お客様が価値を根本から見直すきっかけになった新型コロナウイルス。
ある人は「お金を稼ぐ」時代から「お金を賢く使う」時代と表現していました。
コロナの終息(?)が訪れようとしている今だからこそ、改めて『ブランド』という
ものを勉強し、見直す良い機会なのかもしれません。

推薦本 : 『ブランド論』デービッド・アーカー(著)

追伸:ディズニーランドでもわかるように、ブランドを築くうえで
接客サービスは重要な位置なのですが、私がいつも感心させられるのは
『スープストック東京』。ご体感あれ!!